56 国立広島原爆死没者追悼平和祈念館
建立年月日
2002(平成14)年8月1日
設置主体 厚生労働省
設計者
丹下健三・都市・建設設計研究所
形状
地下2階地上1階建
延床面積 3,099m2
設置の目的
国として、原爆死没者に対する追悼の意を表し、永遠の平和を祈念するとともに、原爆の惨禍に関する世界中の人々の理解を深め、被爆体験を後代に継承するために建設された。
特記事項
1. 「8時15分」のモニュメント
地上部の中央に、原爆投下時刻の「8時15分」を示すモニュメントを設置し、その周囲には、水を求めながら亡くなった犠牲者に捧げる水と、建設工事中に敷地内から出土した被爆瓦などを配置しています。
2. 平和祈念・死没者追悼空間
地下2階には、円筒形の形をした吹き抜けの「平和祈念・死没者追悼空間」を設けています。ここは、原爆死没者を静かに追悼し、平和について深く思索するための空間です。被害の甚大さを表すため、爆心地である旧「島病院」付近から見た被爆後の街並みを、1945(昭和20)年末までの死没者数(約14万人)と同数のタイルを用いてパノラマで表現しています。
入り口のある地下1階からは、らせん状のスロープを下りていきます。スロープは反時計回りになっており、時間を現在から過去(被爆当時)へ遡りながら、「平和祈念・死没者追悼空間」へと導きます。
3. 被爆体験記や原爆死没者の氏名・遺影の収集、公開など
被爆の実相を伝える手段のひとつとして、被爆体験記や原爆死没者の氏名・遺影を収集し、「遺影コーナー(氏名・遺影のみ)」や「体験記閲覧室」で、公開しています。この「体験記閲覧室」では、当時の写真や証言映像なども閲覧・視聴できます。
また、「情報展示コーナー」では、収蔵している被爆体験記を活用した企画展を開催しています。 そのほか、ボランティアによる被爆体験記朗読会も行っています。